老健退所に向けて③ – いよいよ健康診断 –

グループホームに必須の認知症診断がネックで、話がなかなかまとまらなかった健康診断。たかが健康診断、されど健康診断…。


健康診断のスケジュール調整、必死!

最初に妥当と提案された予定は「老健提携病院で健康診断&認知症病院に面談+診断書」だったわけ。これで老健も両方の病院に日程調整をしてくれた。問題点は、車椅子移乗に介助が必要な義母を私一人で2か所に連れて行くこと。待ち時間に耐えられずいつも暴言を吐く義母と待つ作業が2か所になるストレスの2点。

私一人で遂行するには、なかなかにハードルの高い作業。朝に連絡をもらったので、あとで旦那に休めないか聞いてみようかなぁ…と思ってたわけ。だって私一人で車椅子移乗介助何度もやって、何かあったら怖すぎるじゃない!とか考えていたら直ぐに、グループホームの営業さんから入電。

「遅すぎますよね!遅いので、こちらの提携病院行ってもらえませんか?調整しますんで。明日とか大丈夫ですかね?」

…は?明日?グループホームの提携病院?

急な申し出に、急いで旦那にLINE入れて明日休めるか確認を取る。思いのほか早くOKの返事が来たので営業さんに伝えると、明日の午後で予約入れたからお願いします!って…。老健に連絡もしてくれ、今度は老健から「キャンセルしておきました」と。

とにかく1日中、PCと携帯から離れることができなかった私の週唯一の休日。あとで娘の懇談会参加予定だったことを思い出して、全力でガックリしたわ。


仕事行って、老健へ義母を迎えに

「金曜日だけは休まないで(泣)」という職場に突然「休みます」とは言えず…。前日のうちに「早め帰り、残れません」の一報だけ入れる。朝はいつもより1時間早めに出勤して、身の置き場のない「お先に失礼します」で帰宅。急いでおにぎりを一つほおばり、仕事着から普段着に着替えて、いざ老健へ。

早めに老健へ着くと、少し遅れて義母が到着。おそらく「ご家族がお迎えに来ますよ」と言われていたのかな。家族だという事だけはわかっていたみたいだけど、それがどの息子夫婦なのか、誰なのかわかっていなかったように見えた。いつものように「悪いわねぇ。私のために、悪いわねぇ」を繰り返す。

驚いたのは、聞いていたよりも足腰が弱っていた事。車椅子から車への移乗が、こんなに大変になっているとは!普段お手伝いをしてくれてる職員さんでなく、ケアマネさんと、家族でも息子で男手だってことで甘えもあるのか?普段一人でトイレに行っていると聞いていたのに、抱えないと車に乗ることができなかったのよ。

まぁ、すぐキレて大声出すから、無理にリハビリさせなくて良いですって言ったからね。他の人に迷惑かけちゃうし、一度キレるとキレる頻度上がるからさ。


どうなる?健康診断

まずは待ち時間が、静かに待てるかが一つ目の課題だったわけだけど。でも施設でのんびり時間に慣れたのか、忘れてしまったことを考えるのに必死で文句を言う暇もなかったのか、息子らしい男手があって怖いからかはわからないけど問題なし。延々文句を大声で言われ続ける苦労がなかったのは助かった。

それからレントゲンやら体重測定やら、車椅子から離れたり着替えを必要とする検査は軒並み3人がかりで対応。上着一つ脱ぐことも出来ないんだか、甘えてやりたくないんだかは不明。そしてトイレは息子である旦那が100%対応。私一人じゃなくて良かった…。これでも要介護3が出ないっていうんだから、認定ってわからない。

最後に一番の問題だった認知症検査。日付を聞かれると、先生の後ろにカレンダーが貼ってあることに気づいて「12月!12月なことはわかるのよ…他は、……えーっと………」と「月」だけはクリア。でもそれ以外は驚くほどに出来なかった…。年齢も2つ間違えていた。出されたものをしまわれたら、もう全くわからない。言われた言葉も、ほぼ繰り返せない。

老健入所直前には、逆にほぼほぼ出来て「認知症の診断ができるギリギリです」と言われていたのが嘘みたいだった。毎日見ていた老健の職員さんですら、認知症検査をしても診断が出せるかわからない程度にしか感じないと言われていた認知度だったわけだけど。

20点以下で認知症と言われる中、10点にも満たず認知症の診断が出た。マジか。 いやいやどうして、誰がどっからどう見ても、「間違うことなく認知症です」って結果ですよ💦


健康診断が終わったら老健へ帰るということ

とりあえず一般的な健康診断には問題なさそうに見え(元々身体がすごく丈夫)、無事(?)認知症の診断も出そう。長引きそうで審査に間に合わないかも知れないというスケジュールもギリギリの調整で突っ込めたことで、大変だったけど無事終了。

一安心して帰りの車の中は、行きと変わらずほぼ無言か、時折私と旦那の二人だけの会話…だった。

「ここは、昔と変わらないわねぇ…」

義母が呟いた。おそらく骨折のリハビリ入院の帰りに1度通ったことがあるかも知れないぐらい、知らないハズの道だった。義母にはどこに見えていたんだろう。旦那と2人で、義母に聞こえない小さな声でつぶやいた。そして老健の駐車場に着くと

「私はココにいたの?ココに住んでたの?ココに帰るの?…そう」

施設まであと少しの今、 何事もなく無事に健康診断が終わったなぁと思っていた最後で、私達はもう何とも言えない気持ちになった。

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